
長沢 真彩
株式会社MAAYA 代表取締役
高校生社長の話は、きっかけの話。
私の自分探しの旅は、これからです。
平成18年7月11日。静岡地方法務局に株式会社設立の届け出を出た一人の少女が、あった。名前は、長沢真彩。その年の4月に、高校の入学式を迎えたばかりの女子高校生。多くのメディアに登場してきた彼女だが、この3月に高校を卒業。この夏からは、英語を身につけるために、ボランティア活動をかねアメリカへ旅立つ。何を聞いても前向きな答えだけが返ってくる、ポジティブレディを紹介しよう。
高校1年で、自分を試せるなんて、
とてもチャンスでしょ?
中学3年生、15歳。志望校を城北高校国際科に定め、受験勉強に一生懸命だった。そんな長沢真彩さんだったが、母親から“会社をやってみない?”と夕飯のしたく時に、さらりと投げかけられた。父親の宏さんと母親のシーマさんは、インドからの輸入販売の会社を経営。そんな環境もあって、両親が揃う家庭の中でビジネスの話は日常だった。しかし、14歳の娘に、会社経営の話を持ちかけるというシーンは、そうはない。
「最初は、驚き。ただビックリ。そして、次には、会社を経営できるなんてチャンス。本当にラッキー。先のことは深く考えずに、そう思いました。自分を試したい。その思いを実現するのは、もっと、いろいろなことを経験した後のほうがいいのかもしれません。でも、高校受験を控えながらも、私にはマイナス材料は考えられませんでした。例え失敗しても必ず今後の糧になるだろうし、いい勉強にもなる。それに、私の人生は、まだまだこれから。自分チャレンジするなら早いほうがいいかなって」。
事情はともかく、受けた以上、
会社の責任は、私にあります。
いきなり会社設立の話が持ち上がったのではない。両親の会社に “アーユルヴェーダ”を教えてもらいたいというニーズが持ち上がっていた。“アーユルヴェーダ”はインドの伝承医学で、ヨガや瞑想、呼吸法などの教えの中から、健康的な心身に導いていくもので、施術中にはハーブやオイルを使用する。ご両親はこのハーブを輸入販売しているが、販社ではその効能効果をうたうことは薬事法上問題が出る。教育システムとしての新会社が必要だった。最初はインドから人を招いて、と考えていた。しかし、インド人が日本で会社を起こすのにも問題がある。日本国籍が必要だったようだ。そのために娘に会社をと思って彼女に話したら、笑われてしまった。
「アーユルヴェーダの教育ですから、それを肌身で感じ、知っている人でなければ新しい会社を作っても意味がありません。私が、最初にインドに行ったのが生後10ヵ月。その後も、年にほぼ2回はインドに行っていて、アーユルヴェーダを民間療法として取りいれている人たちを身近に見て育ちました。だから適任だったのかもしれませんね。けれど、会社設立の時にどんな事情があっても、引き受けた以上、お母さんはその責任を私に果たさせます。天衣無縫でとても明るいけど、自立するとか責任を持つということについてはとても厳しい人。だからイエスと言った以上は、もう私の問題なんです」。
体験を通じて自分で考えること。
小さいときからのお母さんの教えです。
会社設立の話が持ち上がる前、中学2年の春休み。真彩さんは、母親・シーマさん、そして妹さんの3人でアメリカを旅行した。目的地の一つはカリフォルニア州サンディエゴにある世界的に有名なアーユルヴェーダ・スパ施設、チョプラセンター。シーマさんは、本物を示してみせる。その上で、娘たちに、自分で考えることの大切さを教え、自立を促す。
「チョプラセンターには、ヨガや瞑想を通じて自分の志をもっと高めたいという人がいっぱい。こういう集まりって、いいな〜って。まわりの人が成長する中で、自分も伸びていけるというビジネスモデルのひとつだと感じました。同時に、“インド文化の可能性”を感じさせてくれた場所でした。お母さんは、服などには贅沢をさせてはくれませんが、体験することにはお金を惜しみません。経験したことから何を感じ、考え、それをどのように行動で活かしていくのか、いつも私に求めてくれています。会社の話を、さらりと話すしたのも、私の勉強になると考えているからだと思います」。
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略歴
長沢真彩
(ながさわ まあや)
平成2年、鳥取生まれ。平成9年、父の郷里・静岡へ。
平成18年4月、静岡県立城北高等学校国際科入学。
同年7月、(株)MAAYA設立、同社、代表取締役に就任。
平成21年3月、静岡県立城北高等学校国際科卒業。