企業倒産・不渡り動向
空板(蒲鉾板)製造
㈱三益社(島田市)
破産手続き開始決定受ける
負債 約2億4,500万円
㈱三益社(島田市阿知ヶ谷173‐1、資本金1,000万円、代表者・八木栄俊氏)は、10月21日に静岡地裁より破産手続開始決定を受けた。
破産管財人は塩谷知一弁護士(静岡市葵区呉服町1‐4‐6、たちばな法律事務所)。財産状況報告集会期日は1月21日 午前10時30分。
同社は1949年創業、74年6月に法人改組した空板(蒲鉾板)の製造業者。地元有力蒲鉾メーカーへの納入を主体に展開し、90年代前半には3億円超の売上規模を有していた。
しかし、その後は競争激化や空板市況の悪化で規模縮小を余儀なくされていた。このため、神社仏閣向けの絵馬や御札の製造などで業況維持に努めてきたが、近時は年売上高が1億円台にまで減少、設備主体に投じてきた借入金負担が重く資金繰りが悪化していた。この間、所有不動産の売却も行ったが抜本的な改善には至らず、先行き業績回復の見込みが薄いなか、事業継続を断念した。
負債は約2億4,500万円
一般貨物自動車運送
興津運輸㈲(静岡市)など2社
事業停止 自己破産申請へ
興津運輸㈲(静岡市葵区牧ヶ谷2212、資本金700万円、興津正治氏)と関連会社の㈲興津ラインエクスプレス(同所、資本金600万円、代表者・興津孝氏)は、ともに決算難に陥って11月6日までに事業を停止し、事後処理を幸山秀明弁護士(静岡市駿河区八幡2-4-16、静岡富士法律事務所)ほか1名に一任、自己破産申請の準備に入った。
興津運輸㈲は、1965年創業、76年6月に法人改組した一般貨物自動車運送業者。一時期は約40台の車両を擁し、乳製品メーカーの地元工場を筆頭に大手業者を得意先に得て近距離から長距離輸送まで対応、4億円超の収入規模に成長していた。
しかし、その後は主力得意先の地元工場撤退で受注が減少していたうえ、車両への整備投資過多などで業績不振に陥っていた。さらにこの間、長距離輸送部門を分社化していたが当局の指摘で追徴課税を受けるなど財務的にも苦戦していた。近時は燃料代高騰も資金繰り悪化に拍車をかけ、業況改善の兆しが見出せないなか、支えきれず今回の事態となった。
㈲興津ラインエクスプレスは2005年10月の設立。興津運輸㈲から車両30台と長距離部門を継承し大手業者の傭車業務を主体として、2007年9月期には年収入高約3億円をあげていた。
しかし、浅歴で財務内容をはじめとする基礎が整っていなかったうえ、実質一体の興津運輸㈲が行き詰ったことから、連鎖する格好となった。
負債は興津運輸㈲が約1億2,500万円、㈲興津ラインエクスプレスが同1億6,800万円で、2社合計では約2億9,300万円が見込まれる。
豆腐など製造
㈱岩崎食品(静岡市)
負債 推定7,500万円
㈱岩崎食品(静岡市葵区瀬名川3-6‐13、資本金1,000万円、代表者・岩崎乃久氏)は、決算難に陥り11月7日までに事業を停止した。
同社は、1968年6月創業、77年12月に法人改組した豆腐など製造業者。地元スーパーマーケット向けを主体に豆腐や油揚げなどを製造、ピーク時には1億円超の売上規模を有していた。
しかし、大量生産を目的とした機械化などの設備投資に借入金を充当していたため、薄利多売と相まって低収益が続き借入過多に陥っていた。近年は価格競争などから売上規模も低下、不採算が続いて累積赤字が拡大するなか、今年秋口には闘病中の代表者が死去。円滑な事業運営が困難となり資金繰りも限界に達した。
負債は推定7,500万円。
酒類卸、焼酎小売
静岡中央酒販㈱(静岡市)
事業停止 自己破産申請へ
静岡中央酒販㈱(静岡市葵区本通3‐26、資本金・2,000万円、代表者・石川よし子氏)は、11月20日付けで事業を停止し、事後処理を小林雄資弁護士(静岡市葵区呉服町1-4-6 たちばな法律事務所)に一任、自己破産申請の準備に入った。
同社は、1951年8月に設立された酒類の卸業者。静岡酒販卸企業組合が前身で、同企業組合の解散に伴って発足した経緯を有す。静岡市をはじめとする県中部地区の酒類小売店を対象にアルコール類全般のほか清涼飲料なども扱い、96年6月期には年売上高約18億7,200万円を計上していた。
しかし、その後は業界の規制緩和を背景に販路である小売店が衰退し年々売上規模が縮小、2006年6月期には年売上高が約9億7,100万円にまで低下していた。
このため、2001年以降は本格焼酎に着目し、小売店のFC展開を目論んだほか、「焼酎道場」や「寄って味亭」を店舗名とする直営の焼酎小売店を複数展開、地元マスコミなどでも取り上げられるなど話題を呼んだが、業績全体を改善するには至らなかったほか、直営小売店の開設に伴って設備資金はもとより現金買付比率が上昇したことで、FC展開の画策と合わせ運転資金が不足する結果となっていた。
さらに近年は、焼酎ブームの影響で競合先が増え先駆者としての優位性が薄れていたうえ、ブーム自体の下火で業績が伸び悩んだことも追い打ちをかけ、2005年以降は巧妙な粉飾決算で資金調達を繰り返し金融債務が急激に増加。業況回復の兆しが一向に見出せないなか、資金繰りは破綻し、今回の事態となった。
負債については、粉飾決算の関係で今後もさらに変動する可能性があるが、現時点では約16億円に達する見込み。
内装工事ほか
シズオカ建販㈱(静岡市)
事業停止、自己破産申請へ
負債 約10億2,300万円
シズオカ建販㈱(静岡市清水区江尻東3-8-16、資本金1,000万円、代表者・根津二郎氏)は12月5日付けで事業を停止し、事後処理を廣瀬清久弁護士(静岡市葵区常磐町2-6-8、ときわ綜合法律事務所)に一任、自己破産申請の準備に入った。
同社は1962年創業、1982年12月に法人改組した中堅の内装工事業者。創業当初は建材卸と家具建具製造取付工事を主としていたが、付加価値を高めるために工事部門を拡大、最近ではフローリング工事を主体とした内装工事業者として、大手ゼネコンなどの下請けを中心にマンションなどの内装工事のほか、2001年に経営革新支援企業の承認を受けた据付収納家具の設計・製造・施工も手掛けていた。近年はマンションブームにも後押しされて事業規模を拡大し、2007年7月期には過去最高となる約16億円の年売上高を計上していた。
しかし、翌2008年7月期に入ると上場企業の相次ぐ倒産など、得意先としてきたマンション業界を取り巻く環境が一変して受注が減少、年売上高は約14億円にとどまり、当期利益も前期比約80%減の約200万円と収益性悪化が顕著となっていた。同業界への依存度を高めて過去2年ほどの間に売上規模を急拡大させていたことも災いして借入金など資金負担が増加。近時も一向に業況回復の兆しが見出せないなか、資金繰りは限界に達し事業継続を断念した。
負債は2008年7月決算時点で、約10億2,300万円。
産業廃棄物処理
㈱エコーム(静岡市)
事業停止、自己破産申請へ
㈱エコーム(静岡市葵区新通1‐3‐6、資本金・1,000万円、代表者・本村裕氏)は、決算に陥って12月1日付で事業を停止し、事後処理を清水光康弁護士(静岡市葵区研屋町33‐1、佐藤・清水法律事務所)に一任、自己破産申請の準備に入った。
同社は1988年4月創業、89年9月に法人改組した産業廃棄物処理業者で、収集運搬のほか、中間処理施設や最終処分場を構え、地元静岡市および静岡県、浜松市でも許可を取得していた。97年には解体工事などの建設業許可を取得したほか、本店では化粧品の代理店も併営するなど事業を拡大。主業の産業廃棄物部門では民間企業の工場などを主力得意先に抱え、工事部門では地元業者の下請にとどまらず、官公庁元請や民間元請もこなして、ピークとなった2005年9月期には年売上高約7億4,100万円を計上していた。
しかし、その後は建設不況の煽りなどで売上規模縮小を余儀なくされ、2007年9月期には年売上高が約6億8,200万円にまで低下、損益面も損失計上を強いられ債務超過に転落していた。
さらには、今年9月に代表の本村氏らが不適切な産廃処分などを理由に廃棄物処理法違反容疑で逮捕され、翌10月には静岡市や静岡県から指名停止処分を受けるなど、信用失墜を招いて円滑な事業運営に支障が出ていた。
負債は約7億円。
自動車教習所
㈲中部自動車学校(焼津市)
破産手続き開始決定受ける
負債 約2億1,500万円
㈲中部自動車学校(焼津市柳新屋771、資本金・800万円、代表者・藁科有道氏)は、11月18日に静岡地裁より破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人は鈴木紀子弁護士(静岡市葵区水落町6‐8、静岡綜合法律事務所)。財務状況報告集会期日は2月24日午前10時40分。
同社は1958年8月創業、67年9月に法人改組した自動車教習所。地元焼津市のほか、隣接する藤枝市などを営業エリアとして展開、ピーク時には3億5,000万円超の収入規模を有していた。
しかし、その後は少子化や同業者間競争の激化で業況はジリ貧の様相を呈し、近年の収入規模は2億円程にまで落ち込んでいた。加えて、同社が属する中部興業グループ全体が経営不振に陥りグループ内からの支援も見込めないことから事業継続を断念、10月末までに事業を譲渡して今回の措置となった。
負債は約2億1,500万円。
また、現在は事業を譲受した企業が同所にて自動車教習所の経営をおこなっている。
中古車販売
㈲ガレージ・ドリーム(焼津市)
破産手続き開始決定受ける
負債 約1,000万円
㈲ガレージ・ドリーム(焼津市中里426‐1、資本金・300万円、代表者・柴田久氏)は、12月1日に静岡地裁より破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人は麻生絵美弁護士(静岡市葵区常盤町2‐6‐8、ときわ綜合法律事務所)。財務状況報告集会期日は1月26日午後2時。
同社は2000年3月に設立された中古自動車販売業者。焼津市内では比較的同業者が参集している国道150号線沿いに店舗を構え、販売のほか修理整備などもおこなっていた。
しかし、思惑通りの業績を上げられず、資金面でも苦戦。先行き見通し難から今回の措置となった。
負債は約1,000万円。
建築・大工工事
㈲エムケイテック(静岡市)
事業停止、自己破産申請へ
㈲エムケイテック(静岡市駿河区丸子新田497‐13、資本金・300万円、代表者・望月和美氏)は、12月12日に事業を停止し、事後処理を青山雅幸弁護士(静岡市葵区呉服町1‐1‐14、ライトハウス法律事務所)ほか1名に一任、自己破産申請の準備に入った。
同社は1978年1月創業、91年10月に法人改組した建築工事業者。建築工事のほか、大工工事の建設業許可も有し、一般施主を主対象に住宅や店舗、事務所などの新築工事、改修工事などを手掛け、ピークと見られる2003年9月期には年売上高約1億3,100万円を計上していた。
しかし、その後は住宅着工数の減少、同業者間競争を受けて業況はジリ貧の様相を呈し、2007年9月期には年売上高が約3,100万円にまで落ち込んでいたほか、連続欠損により債務超過に転落していた。以降も一向に業績は回復せず、先行き見通し難から事業継続を断念した。
負債は約5,000万円。
服飾雑貨販売ほか
㈲山一エンタープライズ(静岡市)
破産手続き開始決定受ける
負債 約1,416万円
㈲山一エンタープライズ(静岡市葵区七間町9‐10、資本金・300万円、代表者・山本三夫氏)は、12月4日に静岡地裁より破産手続き開始決定を受けた。
破産管財人は久保田治盈弁護士(静岡市葵区丸山町3)。財務状況報告集会期日は3月11日午前10時。
同社は2001年11月の設立で、服飾品の販売や輸出入、各種イベントの企画・構成、健康食品および健康機器の販売、飲食店ほかの経営を目的としていた。
しかし、近年は計画通りの業績を収められなかったようで先行き見通し難から事業継続を断念、今回の措置となった。
負債は約1,416万円。
(帝国データバンク 静岡支店 調査)